2005年7月19日火曜日

地球シミュレータヽ(´ー`)ノマンセー

地磁気発生のメカニズムを再現 地球シミュレータで2年がかり
空気や水、はたまた溶けた鉄やニッケルなど、
様々な流体の動きを記述する方程式としてナビエ-ストークス方程式(通称NS方程式)というものがある。
これに加えて、電磁気力による流体の動きを再現させたければさらにマックスウェルの方程式を連立させればよい。これは磁性流体と呼ばれ、プラズマの挙動などがコレに支配されるわけです。

そして、ありとあらゆる数値解析の中でも
磁性流体の解析は死ぬほど難しいことで有名である。それにさらに熱伝導方程式を連立させればたぶん,地球内部のマントルの対流とそれによるダイナモ効果を再現することができるのだ。

それほどまでに難しい解析を、地球シミュレータは見事やってのけたのだ。

怪しげなスパコン番付で四位に転落したとはいえ、この手の難解な偏微分方程式を解かせると超汎用計算機である地球シミュレータの実行速度はいまだに世界最速だろう。
偏微分方程式はたった一箇所での計算結果の影響が微分した方向へ,つまり時間微分なら過去から未来へ、空間一階微分だったら上流から下流へ、2階微分だったら上流、下流両方向へと瞬く間に伝播するのだ。これはメモリへの絨毯爆撃、つまり一回の計算で書き換えなければならない配列が極めて多いことを意味する。すなわち、CPU単体の 速度とメモリバンド、ノード間結合速度こそが命であり、ゲノム解析に特化し、馬鹿なCPUを束にしただけの某アメリカ製のクラスタではどうしようもないのだ。 スパコンの世界では「3人寄れば文殊の知恵」は通用しない場合が多いのである。

そもそも未だにナビエ-ストークス方程式の解の存在問題100万ドルの懸賞金が付いた数学上の未解決問題なのだ。

偏微分方程式の解法の発展はNS方程式の研究に拠るところが大きいと言われている。物理数学は最先端数学より200年以上遅れるのが世の常であるが、物理が数学を引っ張ったレアだけれども有名なケースとしてはアイザックニュートンによる微分と積分の統合とコレくらいなものだろう。

えーっと、46億年くらい前だったっけ?地球がドロドロに溶けていた頃は。
今ではすっかり冷え切って表面が固まってしまったけど、その内部は未だにドロドロだそうだ。

と ころで放射性元素は一般に重い、そして重いものは沈む、だから地球の中は放射能でいっぱいである。放射能は崩壊とともに発熱するから地球は未だに ポッカポカなのだ。そうじゃなかったらもうとっくに地球の内部は冷え切っているのである。つまり地球は大きな原子力ボイラーである。

我 々人類が利用しているエネルギーは化石燃料、太陽光、波力、風力、バイオマス、等の太陽の核融合を由来とする物と原子力、地熱、利用できないけど プレートの移動やそれに伴う地震や津波などの核分裂を由来とするものが全て、つまり全部核エネルギーだったのです。そう考えるとなんだが面白くないです か?

ともかく地球の内部に熱源があって、地表から宇宙に向かって放熱しているわけだ。それが重力場の中にあるのだから自然対流が発生する、それはあたかもできたての味噌汁のように。(原始的な流体の可視化技術としてお味噌汁はあまりにも有名です)

じゃあ味噌汁が電離した磁性流体だったら?味噌汁でそんなことはありえないが地球の外核は溶けた鉄であり、それが熱による対流と自転公転による慣性力によって複雑怪奇な運動をしているわけだ。
もし運動している流体が電離していたら?それは電荷の移動であり、電流を意味するのではないだろうか。じゃあ電流があれば合わせて磁場も存在するはずですよね?それが地磁気です。

じゃあなんで地磁気は反転するのでしょうか?
まだ暖かい味噌汁の表面を眺めると対流により内部から湧き出してくるところがところどころにあると思いますが、それが地球だと中央海嶺と呼ばれ、マグマが次々と供給されてプレートを動かす原動力となる場所となります。

プレートは海嶺から遠ざかるように移動するため、海嶺付近には大陸がありません。どちらかというと、ユーラシア大陸にインドが衝突したかのように海嶺から見て地球の反対側に大陸が集まって2億年前のパンゲアのような超大陸を作ってしまうのです。

こ こでキーポイントとなるのが大陸と海底での放熱速度の違いで、大陸は分厚い断熱材であり、一般に海中の方が地球が良く冷えるのです。すると何が起 こるかというとこれまで上昇していた海嶺の底のマントルは冷えて密度が重くなり、突然沈降を始めたうえ、その反作用でこれまで沈降していた海嶺の反対側の マントルが上昇し始めるのです。これが対流の逆転です。こうやってパンゲアは分割され、今に至ります。

つまり超大陸は

分割され、地球の反対側に集まり、そこでまた超大陸が形成され、大陸部と海底部の放熱速度の違いでマントルの対流が停止逆転、超大陸分割、また地球の反対側に集結

というサイクルを繰り返していたと言われているんですよね、超大雑把に言えば。

で、その内部対流の逆転とともに地磁気も逆転しちゃうんだぞ、と。

その仮説のディティールの一部をコンピューティングで再現しようという試みなのですよ、多分ね。地球シミュレータヽー`)ノマンセー


ちなみに今説明したのは極めて長周期(億年単位)なサイクルの方です。
短いサイクルの方は知りません。磁場の逆転はもっと頻繁に(100万年単位)起こるものです。

あと、詳しい話を聞かれても僕の専門じゃないので流体はコチラコチラ、伝熱はコチラ、コンピューティングはコチラなぞを無責任に紹介しておきます。

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